「世界一美しい響きのホール」との評価も高いサントリーホールで、ホールオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」の公演が行われ、ホール一杯に拍手と喝采が響き渡った。
3月14・17・20日の3公演。
ドン・アルフォンソ役のエンツォ・カプアノとプルチネッラたち
総じて、音楽的充実度の高い演奏と聴いた。指揮のニコラ・ルイゾッティは、同時にフォルテピアノも担当し、男性同士の会話の部分を伴奏する。女性同士の対話の
伴奏には、チェンバロの他に、チェロとティオルバが加わり、それぞれの心境を巧みに描き分けた。
演出は、イタリア演劇界の巨匠と称されるガブリエーレ・ラヴィア。コメディア・デラルテに登場するプルチネッラ(召使役)を登場させ、ユーモアと笑いをかもし出す。
更に、舞台転換の際などには、黒いプルチネッラが登場するが、これは、歌舞伎の黒子からヒントを得たという。
客席と舞台との距離が短く、あたかも自分もオペラの一部になったかのような感覚で、モーツァルトの世界を充分に堪能した。
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【公演データ】
三菱UFJ証券 SPRING OPERA
サントリーホール モーツァルト&ダ・ポンテ三部作 2008-2010
ホール・オペラ モーツァルト:コジ・ファン・トゥッテ
(全2幕・日本語字幕付)
日時 2010年 3月14日(日)16:00開演(15:20開場)
3月17日(水)18:30開演(17:50開場)
3月20日(土)16:00開演(15:20開場)
出演 フィオルディリージ:セレーナ・ファルノッキア(ソプラノ)
ドラベッラ:ニーノ・スルグラーゼ(メゾ・ソプラノ)
グリエルモ:マルクス・ヴェルバ(バリトン)
フェルランド:フランチェスコ・デムーロ(テノール)
デスピーナ:ダヴィニア・ロドリゲス(ソプラノ)
ドン・アルフォンソ:エンツォ・カプアノ(バス)
指揮&フォルテピアノ:ニコラ・ルイゾッティ
演出:ガブリエーレ・ラヴィア
管弦楽:東京交響楽団
合唱:サントリーホール オペラ・アカデミー
舞台装置:アレッサンドロ・カメラ
衣裳:アンドレア・ヴィオッティ
会場:サントリーホール・大ホール
主催:朝日新聞社/サントリーホール
協賛:三菱UFJ証券株式会社
協力:アリタリア-イタリア航空会社/国立音楽大学
取材・写真:長澤直子
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