「グランシップ」の愛称を持つ静岡県のコンベンションアーツセンターで、オペラ「椿姫」の公演が行われた。12月11・13日。チケットは完売だったという。
公演は、グランシップ開館10周年記念事業として、静岡県文化財団と静岡県舞台芸術センターが共同制作した舞台。会場となる中ホール(大地)と、その裏手にあたる静岡芸術劇場を隔てる扉を開き、数十メートルの奥行きを活かすという趣向。
演出には演劇界の巨匠・鈴木忠志を起用し、能の所作を取り入れた動きが、ヴィオレッタ(中丸三千繪)の孤高の精神性を鋭く浮き彫りにする。アルフレード(佐野成宏)は作曲家ヴェルディとして描かれており、終始舞台上で曲を書いている。
ジェルモン(堀内康雄)の圧倒的な声と存在感が、ヴィオレッタの悲劇を一層際立たせる。
飯森範親指揮・東フィル・藤原歌劇団合唱部。ダンス振付:金森穣。
【公演データ】
グランシップ開館10周年記念 全3幕、字幕付原語上演
「椿姫」
2009年12月11日(金)18:30~/12月13日(日)14:00~
会場 グランシップ中ホール・大地
[S席] 10000円 [A席] 8000円 [学生] 5000円
作曲 ジュゼッペ・ヴェルディ
台本 フランチェスコ・マリア・ピアーヴェ
演出・照明・衣裳デザイン 鈴木 忠志
指揮 飯森 範親
出演
ヴィオレッタ:中丸 三千繪
アルフレード:佐野 成宏
ジェルモン:堀内 康雄
フローラ:向野由美子
ガストン:山村 尚正
ドゥーフォール:ジョン・ハオ
ドビニー:東原貞彦
グランヴィル:三浦克次
アンニーナ:家田紀子
合唱:藤原歌劇団合唱部
ダンス:Noism(振付:金森穣)
助演:SPAC
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
制作:財団法人 静岡県文化財団、財団法人 静岡県舞台芸術センター
取材・写真:長澤直子 *文章・画像の転載は固くお断りいたします*