東京上野の文化会館で、二期会がベルリオーズの「ファウストの劫罰」を上演した。二期会としては、今回初めて取り上げる演目。
*マルグリートの魂が浄められ、子供の合唱に導かれ昇天するフィナーレ* マルグリート:林正子
外題は「4部からなる劇的物語」で、一般にはコンサートホールで演奏する。断片的な情景をつなぎ合わせたようなこの作品は、オペラとしての上演は非常に難しいとされる。
演出は、コンテンポラリーダンスの鬼才・大島早紀子。H・アール・カオス(ダンスカンパニー)の圧倒的な身体表現が、曲の移り変わりに合わせて、次々と新しい情景を描き出す。それは、違和感なくオペラの「場面」に入り込むのに効果を果たし、実に見ごたえがあった。
プラッソン指揮の、フランスの伝統を重視した音楽作りと、林正子の洗練された歌い回しにも好印象。また樋口達哉の暖かみのある音色にも魅了された。
ファウストの劫罰
4部からなる劇的物語
字幕付原語(フランス語)上演
原作:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ「ファウスト」
台本:エクトール・ベルリオーズ、アルミール・ガンドニエール、ジェラール・ドゥ・ネルヴァル
作曲:エクトール・ベルリオーズ
会場:東京文化会館 大ホール
2010年7月16日(金)14:00・・・カフェラントマン スペシャルデー
指揮: ミシェル・プラッソン
演出・振付: 大島早紀子
装置: 松井るみ
衣裳: 太田雅公
照明: 沢田祐二
演出助手: 三浦安浩
合唱指揮: 大島義彰
音楽アシスタント: 佐藤正浩
舞台監督: 八木清市
公演監督: 三林輝夫
ファウスト 樋口達哉
マルグリート 林 正子
メフィストフェレス 泉 良平
ブランデル 北川辰彦
メインダンサー:白河直子
ダンサー:木戸紫乃、小林史佳、斉木香里、泉水利枝、池成愛、野村真弓
合唱:二期会合唱団
児童合唱:NHK東京児童合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団